楽器のおじいさん
また地下鉄でのこと。
時間のせいか、その日の電車はとても混み合っていました。そこへ大きなかばんを2つ持ったおじいさんが乗ってきました。ドアのすぐ隣に立つと、かばんから何かを取り出しました。どうやら楽器のようですが、マンドリンのような、でもバイオリンのように平らなものでした。満員の電車が動き出すと、なんとそのおじいさんは限られたスペースで楽器を弾き始めたんです!なんだか悲しげな曲でしたが、おじいさんは自分の演奏にうっとりしているようでした。このおじいさん、見かけはちょっと汚いけれど、物乞いのためにやっているようには見えませんでした。で何が起きたかって言うと、急に電車が速度を落としたもんだから、そのおじいさんが倒れちゃったの。つり革につかまってた訳でもなく、両手で楽器を弾いていたのだから当然。すると、まわりの人たちはおじいさんに向かって何かブツブツ言い始めました。もちろん何を言っていたかは分からないけれど、声の調子から「ほら、言わんこっちゃない。こんなところで楽器を弾く方が間違ってるよ」みたいに聞こえました。おじいさんは、人の手を借りて起き上がり、なんだかちょっと怒ってるような表情を見せながらも、しぶしぶ演奏をやめました。「なんかちょっとかわいそう」なんて思っていると、電車が次の駅で停まり乗客が次々と降りていきました。空席を見つけると、おじいさんは嬉しそうにそこに座り、なんと一度しまった楽器をもう一度出してまた弾き始めたんです!!!
「これだ!」って思った。人がなんと言おうも「これがやりたい」っていうことをしなくちゃいけない。誰がなんと言おうとも、「こうでありたい」っていうふうにふるまわなくちゃいけない。それが人を傷つけたり道徳に反するものでなければ、人の意見なんて関係ない。人と違うことをすることを恐れていたら、本当にやりたいことなんて出来っこない。不可能だと思っていることは、もしかしたら可能なのかもしれない。電車の中で楽器を弾くことは、もしかしたらマナー違反かもしれないけれど、法に反しているとは思えない。ただ、ちょっと変わっているだけ。このおじいさんは誰も傷つけていないしね。少なくてもここに1人、心を動かされた留学生がいるよ、おじいさん。
時間のせいか、その日の電車はとても混み合っていました。そこへ大きなかばんを2つ持ったおじいさんが乗ってきました。ドアのすぐ隣に立つと、かばんから何かを取り出しました。どうやら楽器のようですが、マンドリンのような、でもバイオリンのように平らなものでした。満員の電車が動き出すと、なんとそのおじいさんは限られたスペースで楽器を弾き始めたんです!なんだか悲しげな曲でしたが、おじいさんは自分の演奏にうっとりしているようでした。このおじいさん、見かけはちょっと汚いけれど、物乞いのためにやっているようには見えませんでした。で何が起きたかって言うと、急に電車が速度を落としたもんだから、そのおじいさんが倒れちゃったの。つり革につかまってた訳でもなく、両手で楽器を弾いていたのだから当然。すると、まわりの人たちはおじいさんに向かって何かブツブツ言い始めました。もちろん何を言っていたかは分からないけれど、声の調子から「ほら、言わんこっちゃない。こんなところで楽器を弾く方が間違ってるよ」みたいに聞こえました。おじいさんは、人の手を借りて起き上がり、なんだかちょっと怒ってるような表情を見せながらも、しぶしぶ演奏をやめました。「なんかちょっとかわいそう」なんて思っていると、電車が次の駅で停まり乗客が次々と降りていきました。空席を見つけると、おじいさんは嬉しそうにそこに座り、なんと一度しまった楽器をもう一度出してまた弾き始めたんです!!!
「これだ!」って思った。人がなんと言おうも「これがやりたい」っていうことをしなくちゃいけない。誰がなんと言おうとも、「こうでありたい」っていうふうにふるまわなくちゃいけない。それが人を傷つけたり道徳に反するものでなければ、人の意見なんて関係ない。人と違うことをすることを恐れていたら、本当にやりたいことなんて出来っこない。不可能だと思っていることは、もしかしたら可能なのかもしれない。電車の中で楽器を弾くことは、もしかしたらマナー違反かもしれないけれど、法に反しているとは思えない。ただ、ちょっと変わっているだけ。このおじいさんは誰も傷つけていないしね。少なくてもここに1人、心を動かされた留学生がいるよ、おじいさん。
by serendip_love
| 2007-03-24 20:11
| 村上センス in Sweden